DIEGO(ディエゴ)

I’m looking at you.

2020.1.17 〜 2020.2.5

 DIEGOは東京を拠点に活動するアーティスト。街に落ちていたペットボトルや紙くず、路上で見かけたネズミや、道を走る車など、人々が街で普段何気なく目にするモノを、ユーモラスに擬人化、文字化させ、抽象絵画として表現しています。また、アーティストコレクティブ「SIDE CORE」のメンバーとして、展覧会の企画や、壁画制作プロジェクトに参加し活動しています。
 
 近年では、カイカイキキが手掛けるギャラリー「Hidari Zingaro」(東京)にて初個展を開催したほか、TENNOZ ART FESTIVAL 2019での壁画制作、村上隆キュレーションによる「バブルラップ」展(熊本市現代美術館)への参加など、国内外のアートシーンで大きな注目を集めています。本展では、新作の平面作品と写真や立体作品を用いたインスタレーションを発表します。

■作家から本展によせて

 僕の作品は「グラフィティを描く時の行為や状況」からインスピレーションを得て制作しています。グラフィティを描くことは、予め描く場所を決めずに、場所を探しながら街を歩き回り、面白い場所や人の写真を撮影したり街の隙間や誰も行かないような場所を探検していくことです。ペインティングの制作も同じように、キャンバスを街に見立てて、キャンバスの中で場所を探しながら描いています。

 今回の展覧会では平面作品、木パネルをベースに写真、本、立体などを使ったインスタレーション、映像を使った展示をします。
自分が街でグラフィティや場所、人だったり物を探すように、見に来た人が街の中で何かを見つけ出す視点を楽しめる展覧会にしたいと考えています。

Artist Profile

DIEGO(ディエゴ)

10代でストリートアートを始めたDIEGOは「東京のストリートを代表するアーティスト」ではないが、「日本のストリートシーンにおいて、最も風変わりなアーティスト」だ。美術教育は勿論のこと、大学・専門教育は受けていないし、東京の荒々しいストリートシーンに揉まれて育った訳ではない。その代わりDIEGOは持ち前のオタク的観点によってgraffitiやストリートアートに精通し、街の中に独自の視点で表現を仕掛け続け、いつからか「ジワジワと知られる」ストリートアーティストとなった。DIEGOの作品に登場する不恰好で可愛らしいキャラクター達は、彼が街の中を自転車を漕いで探し出したレトロな看板や、古本屋に足蹴に通って昔の印刷物から探し出した「製作者不明のキャラクター」である。また、彼の描く不思議な文字は、ヨーロッパを中心として新しい世代に広がるToy Grffiti(下手グラフィティー)の影響を受け、独自の視点で発展させたスタイルだ。このようなDIEGOのもたらす「脱臼したストリート表現」は、絵画や壁画というビジュアルアートから、また街の中のgraffiti、そしてコンセプチュアルアートまで、少しづつ活動の幅を広げている。近年ではSIDE COREの一員として展覧会の企画や作品発表に勤め、また自身が主催する壁画プログラムにおいても世界各国のアーティスト達の壁画制作のディレクションをおこなっている。