このたびOIL by 美術手帖ギャラリーでは、中村穣二「Another moonlight」展を開催します。
中村穣二は1974年生まれ。画家として東京、パリ、オランダ、台湾など国内外で作品を発表してきました。2000年代初頭よりコラージュ作品の制作を開始し、ペインティングや立体作品へも展開。自身が好んできたパンクミュージックやストリートカルチャーの影響を受け、表現をゆるやかに拡張してきました。

中村の作品は、抽象的に描かれた躍動感のある人物が特徴です。それは美術の領域にとらわれず、アンダーグラウンドな場にも身を置きながら、浮遊するように絵を描いてきた中村の、他者とのコミュニケーションにおける距離感や、友人との心地よい関係性を思わせます。
初期のモノトーンの絵から近年ではカラーへと移行し、やわらかな滲みのある色彩による人物画や花瓶を描いた静物画を発表。即興的に描かれた人物は静かに佇んでいたり、なにかの動作をしていたりと様々です。揺れ動くような背景とも相まって、見る者のイマジネーションを刺激します。

本展では、約15点のペインティングをお披露目します。「絵を描くことは個人の作業だけれど、その先に人がいるということに喜びを感じる」と語る中村の、親しい人物や風景など、リアルな日常を描いた新作となります。また、本展のタイトル「Another moonlight」は、人々が月を見上げている光景から名付けられました。皆既月食の様子を皆が見上げ、写真を撮ったり考え事をしている光景。見ている対象は同じでも、一人ひとりがそこから感じることは違うということ。人や思考や世界が、交差しながらも混じり合うことなく広がっていく様を、本展を通じて感じていただければ幸いです。ぜひ会場でご覧ください。

• アーティスト・ステートメント

絵を描き、観てもらうことで自分は画家として社会と接点を持てていると思っています。
描き続けて、変化して、それを観てもらう。
それは鑑賞者と自分との長い会話のようです。
受け取ることの出来る言葉はそれぞれ一人ずつの暮らしから生まれていると思います。
そうした言葉を受け取れた時、絵を描いていて良かったなぁと思うのです。
同じ時代のそれぞれの生活、それぞれの言葉。
同じ月を見て、一人ひとりの光を浴びる。
そんな感じ。

I believe that by painting and having people see my paintings, I am in contact with society as an artist.
I continue to paint, change, and have people see them.
It is like a long conversation between myself and the viewer.
I believe that the words that can be received are born from each individual’s life.
When I receive such words, I feel happy that I am painting.
Each person’s life in the same era, each person’s words.
See the same moon and bathe in its light one by one.
That is how I feel.

中村穣二
 

• 販売について

本展出品作品は、会場・アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売します。

オンライン販売開始｜2023年1月8日（日）16:00〜
販売URL｜https://oil.bijutsutecho.com/gallery/733
※オンライン公開は、会場販売開始後となるため、公開時点で売り切れの場合がございます。予めご了承ください。
 

• 展覧会概要

中村穣二「Another moonlight」

会場｜OIL by 美術手帖ギャラリー
会期｜2022年12月30日（金）〜2023年1月23日（月）
開場時間｜11:00〜21:00
※12月31日（土）は11:00～18:00、1月2日（月）は10:00～21:00、1月1日（日）は休館
入場｜無料
主催｜OIL by 美術手帖
お問い合わせ｜oil_gallery@ccc.co.jp
※OIL by 美術手帖の営業時間は館の営業時間に準じます。状況に応じて変更の可能性がございます。最新の情報は渋谷PARCO公式ウェブサイトをご確認ください。 https://shibuya.parco.jp/