西澤知美 Tomomi Nishizawa

ambiguous contours

2022.6.15 〜 2022.7.11

このたびOIL by 美術⼿帖ギャラリーでは、⻄澤知美個展「ambiguous contours」を開催いたします。本展は、2020年開催の「The skin you are now in」(アートフロントギャラリー、東京)以来、⻄澤にとって約2年ぶりとなる新作個展です。

⻄澤知美は、東京藝術⼤学先端表現科を⾸席卒業、同⼤学院美術研究科を⾸席修了し、近年は「美容と医療」をテーマとした作品を発表してきました。注射器とリップグロスの先端を組み合わせた⽴体作品、医療⽤ステントによって⽀えられた⼼臓の形に⾒⽴てたガラスのネックレス、ビューラーと医療⽤鉗⼦をモチーフとした⼤型彫刻。⻄澤は、シンボリックなモチーフを取り合わせ、巧妙な技術を⽤い、広告やジュエリーのように洗練されたデザインの作品を⽣み出します。また、写真、⽴体など個々の作品が独⽴した存在感を持ちながらも、展⽰空間全体が共鳴しあうように成⽴しているのも、⻄澤の展⽰の特徴です。全体と細部が計算され尽くした空間で、鑑賞者は⼀瞬にして⻄澤のつくり出したフィクションの世界に没⼊することでしょう。

メイク道具と医療器具というモチーフから、⾏き過ぎた現代の美容⾏為への警鐘ともとらえられがちな⻄澤の作品群ですが、美容⾏為へのネガティブな批判ではなく、⻄澤の作品の核にあるのは⼈体の「表⾯性」への問いかけにほかなりません。美しさを追求するなかでファンデーションやまつげエクステなど⽣⾝の⾝体を模したメイクを施し、⽪膚内部にヒアルロン酸や脂肪などを注⼊・除去し肌表層を再構築することも「⾃分⾃⾝」なのかという、⾃分という存在の定義について問いを投げかけます。

本展では、美容内服薬をモチーフに鏡を⽤いた作品や、マイクロカニューレ(⾎管や神経などの⽪下組織を傷つけないようにした先の丸い針)の彫刻作品などの新作を発表します。鏡の向こう側をのぞきながら、⾃分⾃⾝のあいまいな輪郭(ambiguous contours)と境界について、考えるきっかけになれば幸いです。


【展示替えのお知らせ】

6月26日(日)より、作品のメンテナンスのため一部展示作品の入替えを行いました。

・新規追加作品:《face blossoms》、《sentimental》、《percutaneous absorption》(いずれも2021制作)

・取り下げた作品:《Fibrin》#01〜05、《face#01》

取り下げた作品につきましては、メンテナンス後再展示を予定しておりましたが、本展会期中に復帰できない可能性がございます。ご来場を予定していただいていたお客様にはご迷惑をおかけし大変恐れ入りますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
また、本展についての最新情報は、OIL by 美術手帖ギャラリーのInstagram「@oilbybt_gallery」にて随時お知らせして参ります。

尚、《Fibrin》#01〜05はオンラインECサイトにて作品をご覧いただけますので、こちらからも是非お楽しみください。
西澤知美の作品ページ

 

【7月6日(水)更新情報】

展示替えを行い、下記作品を追加展示いたしました。会期最終日7月11日まで展示中です。お近くにお越しの際は、ぜひご高覧ください。

・《Laboratory》
《Fibrin》#01〜05
・《Fibrin》


■作品販売について

本展出品作品は、会場・アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売します。

オンライン販売開始|6⽉16⽇(⽊)16:00〜

販売URL|https://oil.bijutsutecho.com/gallery/733

※オンライン公開は、会場販売開始後となるため、公開時点で売り切れの場合がございます。予めご了承ください。

 

■展覧会概要

⻄澤知美「ambiguous contours」

会場|OIL by 美術⼿帖ギャラリー

会期|2022年6⽉15⽇(⽔)〜7⽉11⽇(⽉) ※会期中無休

開場時間|11:00〜20:00

⼊場|無料

主催|OIL by 美術⼿帖

お問い合わせ| oil_gallery@ccc.co.jp

※OIL by 美術⼿帖の営業時間は館の営業時間に準じます。状況に応じて変更の可能性がございます。最新の情報は渋⾕PARCO公式ウェブサイトをご確認ください。 https://shibuya.parco.jp/

 

 

Artist Profile

西澤知美 Tomomi Nishizawa

東京都⽣まれ。東京藝術⼤学⼤学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。⽴体・平⾯を主とする現代美術作家。近年の作品において美容/ 医療を主題としながら、それら現代の技術が対象とする⾝体や肌の表れ―そしてそのフィクション性を通底的なコンセプトとして扱ってきた。美容が医療と⼀層不可分になっている現代において、⻄澤はその作品によってそのような⾝体における美を形象的、観念的なレベルにおいて介⼊することで追及し、また⾝体の境界を問いただす。シンボルの操作とコンポジションの審美性によって構築される作品は、単に批評的な⽴場に留まることなく美容⾏為の真理を照らし、その概念を拡張するような地平を切り拓いている。
https://tomominishizawa.com/
Instagram:@the.tomominishizawa

EVENT

※オープニングレセプションは行いません。