このたびOIL by 美術手帖ギャラリーでは、鈴木由衣個展「琥珀ロープ」を開催いたします。
陶芸と絵画を主な作品とする鈴木は、2011年に愛知県立芸術大学大学院を修了後、各地での発表を重ね、現在は陶芸の産地である滋賀県・信楽を拠点に制作を続けています。「あちら側とこちら側の境界にあるどちらでもない曖昧な状態を表現したい」と語る鈴木の作品には、植物や昆虫、魚や宝石、あるいはファンタジーの世界のような生き物たちが縦横無尽に登場します。
これらのモチーフは、信楽という自然豊かな土地での生活に根ざしたオブジェクトであり、必然性はなく偶然身近にあった存在だと言いますが、イマジネーションを重ねた物語を彷彿とさせ、鈴木の作品を構成する要素として欠かせないものとなっています。画面や粘土と丁寧に対話するように生み出された鮮やかな作品群は、そこに風が吹き、水が流れているかのような躍動感を感じさせるとともに、静謐さをも湛えており、見る者を独自の世界に引き込みます。
本展のタイトル「琥珀ロープ」は、画材の蜜蝋や釉薬の琥珀色、壺型を成形するロープ状の粘土や、概念としてのレイヤーを生む線の存在を表していますが、その響きが鑑賞者に甘やかで不思議なイメージを想起させるのも、鈴木の作り出す世界観の一環でしょう。
本展では、陶芸作品をメインに平面と立体約10点の新作を発表します。半透明の温室越しに垣間見える向こう側の空間の不確かさや、海の中をたゆたう網の目をくぐり抜ける瞬間など、曖昧とした不思議な一瞬を捉えた鈴木の作品世界を、ぜひ会場でご覧ください。
- 販売について
本展出品作品は、会場および、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売します。
オンライン販売開始|10月14日(土)16:00〜
販売URL|https://oil.bijutsutecho.com/gallery/733
※作品はプレセールスの状況により展覧会会期開始前に販売を終了させていただくことがあります。
※オンライン公開は、会場販売開始後となるため、公開時点で売り切れの場合がございます。予めご了承ください。
- 展示詳細
鈴木由衣「琥珀ロープ」
会場|OIL by 美術手帖ギャラリー
会期|2023年10月13日(金)〜11月6日(月)※会期中無休
開場時間|11:00〜21:00
オープニングレセプション|10月13日(金)19:00〜21:00
主催|OIL by 美術手帖
お問い合わせ| oil_gallery@ccc.co.jp
Artist Profile
鈴木由衣/Yui Suzuki
1985年愛知県生まれ。2011年、愛知県立芸術大学博士課程前期油画・版画領域研修科修了。11〜13年、滋賀県立陶芸の森スタジオアーティストとして在籍。主な個展に、15年「庭常」(松坂屋美術画廊、愛知)、16年「鈴木由衣展」(t.gallery、東京)、17年「山へいこう」(STANDING PINE、愛知)、20年「○△□☆」(HARMAS GALLERY、東京)、21年「くるりんクレマチス」(水犀、東京)ほか。主な企画展・グループ展に13年「特別企画展 新時代の『やきもの』への挑戦!あれもやきもの これもやきもの」(滋賀県立陶芸の森 陶芸館、滋賀)、14年「FLOW-水は何をつなぎ、何処へいくのか-」(京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA、京都)、15年「豊穣なるもの 現代美術 in 豊川」(豊川市桜ヶ丘ミュージアム、愛知)、20年「絵の回路」(愛知芸術文化センター アートスペースX、愛知)、22年 「石と鱗のほとり展」(HARMAS GALLERY、東京)、 23年 「Exhibition to remember SHITARA 設楽知昭」(愛知県立芸術大学サテライトギャラリ-SA・KURA、愛知)ほか多数。
EVENT
オープニングレセプション|10月13日(金)19:00〜21:00
※予約不要、参加無料