「OIL by 美術手帖」ギャラリーでは、鈴木ヒラク個展「Before the Cypher」”SILVER MARKER―Drawing as Excavating” 出版記念展を開催します。鈴木ヒラクは1978年生まれのアーティストで、ドローイングと言語との関係性を主題に、平面・彫刻・映像・写真・パフォーマンスなど多岐にわたる制作を行っています。シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなど、世界各地で滞在制作を展開。「ドローイング」を、絵と言葉の間にある線の「発掘」行為と捉え、主に光を反射する素材を用いながら、その可能性を探求し続けています。また、様々な分野のアーティストとのコラボレーションも行なっており、ミュージシャンのテニスコーツ、Shing02やスガダイロー、サウンド・アーティストの鈴木昭男、詩人の吉増剛造、文化人類学者の今福龍太らと開催してきたライブパフォーマンスをはじめ、アニエス・ベーやコム・デ・ギャルソンといったファッション・ブランドとも協働するなど、国内外の多方面で活躍しています。
本展は、鈴木ヒラクの10 年間にわたる軌跡を収めた作品集『SILVER MARKER―Drawing as Excavating』(HeHe)の出版を記念した展示として、新作の平面作品6点ほどを発表するほか、石を素材として用いた壁画を公開します。
Artist Profile
鈴木ヒラク
1978年宮城県生まれ。武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科修了。絵と言語、あるいは「描く」と「書く」の境界をテーマに、平面・彫刻・映像・写真・パフォーマンスなど様々な手法でドローイングの領域を拡張し続ける。2010年には、6年をかけて描いた記号的なドローイングを一挙に収録した、1008ページにおよぶ作品集『GENGA』を発表。2011年アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)の助成によりアメリカに、2012年公益財団法人ポーラ美術振興財団の助成によりドイツに滞在した。2013年日産アートアワードファイナリスト。
これまでに金沢21世紀美術館(石川、2009)、森美術館(東京、2010)、ヴロツワフ建築美術館(ポーランド、2015)、銀川現代美術館(中国、2016)、アーツ前橋(群馬、2017)、MOCO Panacée(フランス、2019)、東京都現代美術館(東京、2019)など国内外の美術館で多数の展覧会に参加している。