カワイハルナ Haruna Kawai

状態の共存

2024.5.24 〜 2024.6.17

このたびOIL by 美術手帖ギャラリーにて、カワイハルナ個展「状態の共存」を開催いたします。

カワイハルナは、幾何形体を組み合わせた構成物を描き、現実の現象を観察するなかから取り出した要素を絵で再編集し、表現するアーティストです。昔から椅子の脚の付け方や三本脚の安定性など、モノやその構成に関心を持っていたというカワイは、学生時代には建築・設計を専攻。その後アーティストとして活動を開始しました。

カワイの作品は、物体と物体がどのように形を保っているのか、その構造に対する彼女の興味が色濃く反映されています。

 

また、一見するとデジタルによる印刷物を想起させる精緻な画面は、キャンバスや紙、または透明フィルムなどを支持体に、手描きで描かれています。さらに、架空のモチーフを緊張感のあるバランスで描き出す彼女の作品は、本や雑誌の挿絵にも多数起用されてきました。それは、現実と空想の間に立つ独特の視点を持ち、本のテーマに対して読者の想像を拡張する一助となっているからなのかもしれません。

 

本展では、「状態の共存」と題し、揺れ動く存在そのものをそのまま描くことに焦点を当てます。カワイは以前に、量子力学の「重ね合わせの原理」というテーマに取り組んでいました。これは、モチーフがAかBか断定できず、人が観察した瞬間に確定するという概念です。シュレディンガーの猫のように、観察によって初めて決まる状態を描き出すことに挑戦していました。

今回の新作ではこのテーマに対し、揺れる/止まる、自立する/倒れるなど、相反する様相のどちらでもありうるモチーフが、同時に絵として成立する状態を表現し、どちらとも言えない状態の美しさを捉えます。一つの絵の中でモチーフがAになるかBになるか、その境界線上で揺れ動く様子を描き出し、見る人に次の瞬間を想像させます。カワイハルナの新しい挑戦と現在地をぜひご高覧ください。

 

▢アーティスト・ステートメント

次の瞬間には崩れるかもしれない

あるいはそのまま保ち続けるかもしれない

そのような構成物を描きました。

カワイハルナ

 

▢販売について

展示作品は、会場およびアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売します。

 

ギャラリー販売期間|2024年5月24日(金)〜6月17日(月)

オンライン販売期間|2024年5月27日(月)16:00〜

URL|https://oil.bijutsutecho.com/gallery/733

※作品はプレセールスの状況により展覧会会期前に販売を終了させていただくことがあります。

※展示作品のオンライン公開は、会場販売開始後となるため、公開時点で売り切れの場合がございます。予めご了承ください。

 

▢展覧会概要

カワイハルナ「状態の共存」

会場|OIL by 美術手帖ギャラリー

会期|2024年5月24日(金)〜6月17日(月)※会期中無休

オープニングレセプション|2024年5月24日(金)19:00〜21:00

開場時間|11:00〜21:00

入場|無料

主催|OIL by 美術手帖ギャラリー

お問い合わせ| oil_gallery@ccc.co.jp

Artist Profile

カワイハルナ Haruna Kawai

アーティスト。幾何形態を組み合わせた独自の構成物を描いている。現実の現象を観察し、要素を取り出して絵で再編集している。

EVENT

〈オープニングレセプション〉

5月24日(金)19:00〜21:00

会場|OIL by 美術手帖ギャラリー

当日は、作家も在廊予定です。予約不要・入場無料。